数字とキーワードで見る 世界/日本の「食・食文化」

2019〜2022年 クールジャパン官民連携プラットフォーム SNS分析調査

CJPFクールジャパン官民連携プラットフォームでは、日本各地のそれぞれの文化や生活様式が色濃く反映されている、日本の「食・食文化」に焦点を当て、世界を魅了しうるコンテンツとしての磨き上げを目的に、新たなプロジェクトを立ち上げています。その一環として、世界における日本のポジションや、世界と日本のギャップをより正確に把握するため、日本を加えた10か国を対象にソーシャルリスニング(※1)調査・分析を行なっています。日本のブランドイメージ確立に向けた、日本の現在地から世界の潮流まで。調査・分析で得られたデータを、インフォグラフィックスでお伝えしていきます。

クールジャパン官民連携プラットフォーム 2019年~2022年 SNS分析調査(3か年分)の調査結果のダウンロードはこちら

※1 ソーシャルリスニング:SNSやブログ、フォーラム、ニュースサイトなどのソーシャルメディア上に投稿されるデータを収集・分析し、市場調査、ブランド評価、効果測定、トレンド予測など様々な施策へ利活用する手法。
※2インフォグラフィックス:情報やデータを視覚的に、シンプルでわかりやすく伝えるためのビジュアライズ手法

01

グルメだけじゃない。
世界各国で使われる「食」を表すキーワード

「食」を表すキーワードには世界の国々や地域によって傾向があることが分析調査によって見えてきました。日本人にとって馴染み深い「食」を表すキーワードである「グルメ」は、日本をはじめ韓国やタイ、台湾などアジアで使わる傾向が強く、特に日本では圧倒的に「グルメ」が使われています。また「カリナリー」(※1)はアメリカやイギリス、シンガポールなど英語圏の国々でよく使われる傾向にありますが、まだ日本で馴染みのない言葉かもしれません。英語圏では料理の実践や料理活動全般、ヨーロッパ圏では特に「調理」に関して使われることケースが多く見受けられました。ヨーロッパ圏、特にフランスやスペインでは「ガストロノミー」が使われる傾向が強く、食に関わる事象全体や、食の新鮮さ、雰囲気も含めた食事をする楽しみを幅広く指して使われていました。ミシュランガイドの発表時にはガストロノミーとして日本人シェフや、日本のレストランが注目を浴びることも増えています。

02

知ってる?知らない?
2022年、世界で話題量が急増したキーワードTOP5

 
  • 1位

    ESG

    ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮した投資活動や経営・事業活動を指す言葉です。地球温暖化や水不足、社会問題など人類がさまざまな課題に直面する中、ESGやESG投資へ社会の注目が急速に高まっています。SNS上では、有名起業家によるESGの賛否を問う投稿や、企業によるESGの取り組みの投稿まで、様々な話題が飛び交う状況となっていました。一般人をも巻き込んだ議論が拡散しており世界中でのESGの注目度の高さが伺えました。

  • 2位

    脱炭素

    Decarbonization

    気候変動問題に歯止めをかけるため、温室効果ガスの大気への排出を「実質ゼロ」にすることを指す言葉。CO2排出量が低い低炭素社会ではなく、実質的にゼロを目指した脱炭素社会を目指す動きが世界中で推進されています。SNSでは「脱炭素の必要性」を訴える投稿や企業の取り組みを紹介する投稿が数多く見られ、紹介された意見や取り組みに多くの賛同が集まっていました。

  • 3位

    グリーンウォッシング

    Green washing

    環境への配慮やエコなイメージを想起する「グリーン」、そして上辺や見せかけを意味する「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語で、実態を伴わない環境配慮や消費者が誤解を招くようなPR活動のことを指します。SNSでは「これはグリーンウォッシュでは?」と疑問を投げかける投稿も見られました。また、普段購入するものや口にするものが関係しているためか、他のキーワードと比較して一般人からの投稿も多く見られました。

  • 4位

    カーボンニュートラル

    Carbon neutral

    気候変動問題の解決に向け、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味する言葉。2015年に採択されたパリ協定で「世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つ」「1.5℃に抑える努力の追求(2℃目標)」という世界共通の長期目標が掲げられました。

    5位

    SDGs

    持続可能な開発目標

    持続可能な開発目標(SDGs:
    Sustainable Development Goals)の頭文字を合わせた言葉です。

    2015年9月の国連サミットにおいて採択された、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成されています。

03

キーワードから見る世界の変化。
2022年「食」の新しい潮流

 
 

地元で食べて消費することを指す「地産地消」という言葉。日本ですっかり浸透したこの言葉な、世界で使われているのでしょうか?今回は世界の食の都とも言える、フランスとスペインにフォーカスして調査を行いました。フランスでは「locavore(ロカヴォール:地元の食材を消費する人)」を含むツイートが1万件以上投稿されており、地元シェフによる「化石燃料を使うなら、地元の食材を使ったほうがいい」といった投稿も見られました。スペインでは「consumo local(コンスーモ ローカル:地産地消)」を含むツイートが3万件以上も投稿されていました。きっかけは、2021年のスペイン消費問題相による「気候変動対策を加速させよう。地産地消と持続可能な消費を優先することで食料を改善することです」というツイート。この投稿により地産地消への関心が高まるきっかけとなったようです。両国のSNSで「地産地消」に関する多くの投稿が見られ、ヨーロッパ圏での食・消費に関する「エシカル※」な潮流が伺えました。

※エシカル:倫理的なという意味の英語の形容詞。「エシカル消費」を直訳すると「倫理的な消費」となる。

世界で広がる、
新しい「お酒」との向き合い方とは?

 
  • モクテル

    英語のMock(似せた)とCocktail(カクテル)を組み合わせた造語です。

  • ノンアルコール飲料

    アルコール度数0.00%かつお酒に似た味、20歳以上が飲用するものと定義されています。

  • ドライジャニュアリー

    イギリスで生まれた、1月の1ヵ月間はお酒を飲まずに過ごすというチャレンジ。

  • ソバーキュリアス

    Sober(しらふ)とCurious(好奇心が強い)の造語。お酒を飲まない・少量しか飲まないライフスタイルや考え方。

調査の中から、新しいジャンルである「モクテル」や「ノンアルコール飲料」、新しいアルコールとの向き合い方「ドライジャニュアリー」や「ソバーキュリアス」といったキーワードにも着目しました。海外ではクラフトノンアルコールビールが、日本ではノンアルコールバーが登場するなど、新たなマーケット・カテゴリが広がっています。また、世界的に「選択的ノンアルコール」という、新しいアルコールとの向き合い方を選ぶ潮流も拡大しています。

04

コロナ後にどう変わった?
キーワードで見る「食と旅行」の関係性

 

世界各国における「食・食文化」×「旅行キーワード」についてもソーシャルリスニングで調査・分析を行いました。

●アメリカ/イギリス:「Food」×旅行キーワードと「Culinary」×旅行キーワードで全体の9割以上を占めます。イギリスもアメリカと同じような傾向にありますが、イギリスの方がやや「Foodie」というキーワードが多い傾向にあります。

●フランス:より表現に多様性があり、幅広い食キーワードと旅行キーワードが使われています。

●スペイン:ガストロノミー系のキーワード(「Gastronomico」「Gastronomica」)で占められています。

●韓国:「카페투어(カフェツアー)」に関する話題が多く、2021年から急増しトレンドになっています。

●台湾:「美食旅遊」「美食之旅」で9割以上の話題量となっており、8割近くが「美食旅遊」となっています。

●インドネシア:「Kuliner」(カリナリー)がほぼ独占。夜を意味する「malam」が頻出することが特徴的です。

04

世界における日本の現在地。
数字で見る日本の「食」ブランド力

「お菓子」はアメリカ・フランス・シンガポールでの話題量が1位に。中でもアメリカにおいては、自国の話題と比較しても日本のお菓子の話題量が2倍近くもありました。次に和食を代表する「お米」です。フランスにおいては堂々の話題量1位となりましたが、実は欧米においては中国やメキシコ、スペインの話題量が日本を上回る結果となっています。続いて「お茶」です。フランスにおける日本のお茶の話題量は、中国の2倍以上となっています。また、美しい霜降りが有名な「肉」は、世界でも有名な和牛は最高の牛肉と評価されることが多く、シンガポールにおいて話題量1位。フランスでは3位、スペインでも4位とヨーロッパを中心に高い認知度を誇ります。日本から広まった品種も多い「フルーツ」、さらに「スイーツ・デザート」はシンガポールにおいて話題量が1位となっています。意外なところでは「調味料」がスペインにおける話題量が1位となっています。日本の調味料「ごま塩」が話題となるなど、マクロビオティック料理で高く評価されているようです。日本の食を「国」と「カテゴリ」で見ていくと、世界各国でそれぞれブランドとして認知されていることが分かります。一つひとつのブランド化に寄与することで、日本の「食・食文化」の総合力を高めることに繋げていきたいと思います。

クールジャパン官民連携プラットフォーム
2019年~2022年 SNS分析調査(3か年分)

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