CJPF LAB#3 ~アフリカにおけるクールジャパン新興市場の今~

CJPF では、クールジャパン関連産業の海外展開戦略に関心のある企業や専門家の情報共有・意見交換の場として「CJPF LAB(研究会)」を定期的に開催しています。各分野のクールジャパンの先駆者やグローバルな視点での成功事例など、官民連携プラットフォーム会員やCJプロデューサーを巻き込みながらノウハウの共有を進め、クールジャパン関係者の事業拡大や、関係者同士の連携の機会創出を目指します。
第三回は、新興市場として注目されているアフリカの現状について、3名の専門家よりご解説いただきました。(開催日:2025年2月27日)

登壇者・講演内容

佐藤 丈治氏 ジェトロ・ナイロビ事務所長

アフリカの人口は2020年代には中国とインドを抜き、2050年には世界人口の4分の1に達すると予測されており、クールジャパン新興市場としても今後重要になると考えられます。アフリカ市場の最大の特徴として、平均年齢の若さが挙げられ、「オタ祭り」など、日本のアニメが好きなアフリカの若者によるイベントが実際に開催されています。その他、韓国の事例(K-POPのアーティストとアフリカのアーティストをコラボレーションさせたイベント等)を取り上げながら、今後日本として注力すべき分野等について解説いただきました。



玉木 直季氏 英国王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)フェロー

地政学の視点からアフリカ市場を解説いただきました。特にインド洋を取り巻く国々では今後人口が急増し、マーケットの拡大とともに資源の枯渇などの課題も大きくなっていくと考えられています。そのような市場において、クールジャパン関連産業がどう寄与し得るのかについて、ご見解をお話しいただきました。



石田 祥吾氏 CEO, EMURGO Middle East&Africa

2005年からアフリカに関わってこられたご経験を踏まえ、現地のリアルな情報を共有いただきました。ケニアでは現在、若者がビジネスで成功した暁に、現地の寿司屋で食事をすることが一つのステータスになっているなど、日本に対する興味関心が非常に高まっています。また、アニメ等のコンテンツにおいても、日本の作品に高い需要があることがわかっていますが、他方で代表的なSVODサービスにおいて日本のコンテンツが上位にランクインしていない等、需給バランスの崩れを指摘します。このように、クールジャパン関連産業のアフリカ展開はローカルコミュニティの努力に依存している部分もあり、より戦略的にアフリカに展開していくことの重要性を詳しく解説いただきました。