CJPF LAB#2 ~日本食文化の可能性を探る~

CJPF では、クールジャパン関連産業の海外展開戦略に関心のある企業や専門家の情報共有・意見交換の場として「CJPF LAB(研究会)」を定期的に開催しています。各分野のクールジャパンの先駆者やグローバルな視点での成功事例など、官民連携プラットフォーム会員やCJプロデューサーを巻き込みながらノウハウの共有を進め、クールジャパン関係者の事業拡大や、関係者同士の連携の機会創出を目指します。
第二回は、食のスペシャリスト4名にご登壇いただき、海外から見た日本食の魅力について解説いただきました。(開催日:2025年2月5日

登壇者・講演内容

杉浦 仁志氏 Social Food Gastronomy National Executive Chef

 世界各国でのご活動を通じて感じた日本食の可能性についてお話いただきました。2024年末より約7か国を回り、ラグジュアリーブランドレストラン関係者等の有識者とお会いされる中で、現在「発酵」というフレーズが世界共通となっており、唯一無二の発酵技術を持つ日本に全世界が注目していることを改めて感じられたとのこと。また、訪日外国人観光客が日本食の体験に対し、「地方に存在する究極の食材」を求めるようになってきている現状において、海外ターゲットへレストランや商品の情報を伝えるためには、質の高いプロモーションが大切になり、海外現地の会社との連携により発信力を身に着けていくことが重要であるということを解説いただきました。



志村 幸一郎氏 株式会社SHIMURA代表取締役てんぷら小野 オーナーシェフ

 「料理人が担う、日本の食の未来と可能性」をテーマに、訪日外国人向け料理教室や富裕層向けサービスを提供するホテルコンシェルジュとの連携等、志村様ご自身のご活動を通じて感じる、訪日外国人富裕層が求める食体験や、日本料理人に対する世界からの評価についてお話しいただきました。富裕層が求めるものは他ではできない「体験」と「ストーリー」であり、ただの食事ではなく、その背景にある職人の技、食材の産地、文化を知ることが重要になります。また、そのような素晴らしい日本の食文化を継承していくためには、第一次産業の支援を含む連携が不可欠であり、志村様ご自身が検討されている様々なプロジェクトについてもお話しいただきました。(詳細は本ページ掲載の資料をご確認ください)



田丸 玲奈氏 株式会社エービーシースタイル 代表取締役

 田丸様は、ABC Cooking Studioのエリアマネージャーとして中国に駐在して以降、アジア各国のオペレーション責任者として現地スタッフの採用・育成に従事さ れ、現在はABCスタイルの代表を務めておられます。アジアを中心にスタジオを展開し、海外会員も多く抱える同社だからこそ知り得る、海外の生徒の日本への関心の高さや、情報発信力・周囲への影響力の高さといった特徴を解説いただきました。その他の同社の取り組みとして、海外で影響力のある先生や生徒をFAMツアーに招き、インバウンド向けのプロモーションを海外現地に届ける事業も紹介いただきました。今後は、日本食文化を発信するメディアのグローバル化などのさらなる事業拡大を目指します。



鈴木 成宗氏 有限会社二軒茶屋餅角屋本店 代表取締役社長 博士(学術)

 1575年創業「二軒茶屋餅角屋本店」の21代目としてご活躍されている鈴木様より、30年間で約8000万円から13億6000万円まで売上を伸ばしたキードライバーである「ビール事業」を通じ、海外から見た日本産ビールの魅力や評価についてお話しいただきました。同社のクラフトビール「ISEKADO」は、ビール界のオスカーと呼称される「The International Brewing Awards」にて最高の賞を3つ受賞されるなど、世界からも非常に高く評価されています。鈴木様はビール事業を立ち上げた際、国際大会の審査員資格を取得するなど、世界から評価されるビールを学ぶ活動を同時に始められ、以降、大学や企業との共同研究の中で発酵の技術研究を重ねてこられました。これからは、日本スタイルのビールを確立しつつ、さらなる海外進出を目指します。 (詳細は本ページ掲載の資料をご確認ください)



<資料を一部公開します>

■志村様資料:https://cjpf.jp/wp-content/uploads/2025/03/20250205_cjpflab_2.pdf

■鈴木様資料:https://cjpf.jp/wp-content/uploads/2025/03/20250205_cjpflab_4.pdf