クールジャパンフロンティア toward 2033

内閣府 クールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)は、2025年10月3日(金)に、東京・溜池山王の赤坂インターシティコンファレンスにて、「クールジャパンフロンティア toward 2033」を開催しました。内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)城内実やCJPF共同会長の夏野剛氏や田中里沙氏などから2033年に向けたメッセージが発信され、参加者との交流も行われました。

※本記事の内容は開催日時点のものです。

Chapter.01. 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)メッセージ

内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略) 城内 実
クールジャパンの取り組みは、コンテンツ、食、インバウンド消費、ファッション、化粧品など多岐にわたり、プレイヤーも多様であるため、横断的・有機的に取り組むことが重要だと強調。2015年に設立されたクールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)を今年新体制としてスタートさせた。夏野剛氏、田中里沙氏の共同会長体制とエグゼクティブディレクターの参画に感謝を述べました。
知的財産推進計画2025では、コンテンツを起点としてゆかりの地の食や伝統文化などの地域資源を活用し、地域一体となった取り組みを加速させ、コンテンツ産業の成長と地域経済活性化の好循環につなげることを目指すことを発信し、最後に、クールジャパン戦略をさらに世界に発信していくとし、挨拶を締めくくりました。

Chapter.02. 共同会長・エグゼクティブディレクターメッセージ

近畿大学 特別招聘教授 情報学研究所長/クールジャパン官民連携プラットフォーム 共同会長 夏野 剛 氏
コロナ禍を経て、日本のコンテンツ産業(漫画・アニメ・ゲーム)は世界規模で急成長を遂げたと述べられました。昨年度の輸出額は5.8兆円に達し、半導体や鉄鋼を抜いて自動車に次ぐ日本第2位の輸出産業となっていることが紹介されました。
2033年には、クールジャパン産業全体で50兆円規模を目指しており、そのうちコンテンツ産業は20兆円を占める計画であることが示され、これは20兆円規模の自動車産業を超える規模であり、コンテンツが日本の基幹産業として確立される展望が開けていると語られました。

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学 学長 田中 里沙 氏
二つの大きなテーマが掲げられました。第一に、2033年に海外市場規模50兆円への拡大と、日本に対する好感度を世界から10ポイント高めること。第二に、知見やノウハウを共有し、協業のきっかけを生み出すことで、関連産業の横断的な取り組みを活性化させることが示されました。また、コンテンツを活用した地方創生の好循環が生まれ、高付加価値のインバウンド戦略につながる好事例が次々と生まれていることが紹介され、これらが日本のソフトパワーを高める原動力となっていると語られました。

エグゼクティブディレクターメッセージはこちら

Chapter.03. ファッション・化粧品分野の今後の海外展開拡大に向けた取組について

編集者/ファッション・クリエイティブ・ディレクター 軍地 彩弓 氏
かつて日本のファッションカルチャーは海外で認められつつも十分に評価されていないもどかしさを感じ、経済産業省のファッション未来研究会への参加を通じて、日本のファッション産業の発展に尽力してきました。現在は日本のファッション業界は大変な注目を浴びてチャンスになっているものの、プラットフォームが整っていないという課題があることが示され、今後この点について議論していきたいと表明されました。

株式会社アイスタイル BeautyTech.jp編集長 矢野 貴久子 氏
@cosme(アットコスメ)は、口コミサイト、リアル店舗、オンラインショッピングを展開し、日本初のブランド横断型でデパコスからプチプラまで一堂に試せる店舗です。昨今、インバウンドで来店客が増加しており、J-Beautyへの興味関心が年々高まっていることが報告されました。年内には香港に旗艦店をオープンし、海外のお客様にもアットコスメの魅力とJ-Beautyの良さを発信していくことが示されました。 矢野氏が担当する媒体は美容業界のイノベーションを扱うメディアで、海外ブランドの動向も含めて情報発信しており、今後J-Beautyがさらに海外で存在感を示すための方策について議論していくことが表明されました。

Chapter.04. 内閣府 知的財産戦略推進事務局メッセージ

Chapter.05. パネルセッション

クールジャパンフロンティア toward 2033において、アニメーション監督の河森正治氏、KADOKAWA取締役 代表執行役社長 CEOの夏野剛氏、歌手の相川七瀬氏が登壇し、CJPFディレクターの渡邉賢一氏モデレートのもと、日本のコンテンツ産業の現状と未来について活発な議論が行われました。
日本のコンテンツ創造力の源泉
河森氏は、日本がアニメーション・漫画大国となった背景として、「八百万の神」に象徴されるアニミズム的感性や西洋的合理性とは異なる日本的な多様性を受け入れる文化があると語りました。石にも雲にも水にも魂が宿ると考える日本独自の感性が、世界でも類を見ない多様なキャラクターを生み出す源泉になっており、海外のクリエイターからも「ユニークなキャラクターを生み出す能力では日本が突出している」と高く評価されていると発信されました。
世界で愛される日本コンテンツ
夏野氏は、世界各地の書店で日本漫画コーナーが大規模に展開されている現状をまず日本人自身が知る必要があると指摘しました。コンテンツ輸出額は5.8兆円に達し、半導体や鉄鋼を抜いて自動車に次ぐ第2位の輸出産業へと成長しています。自社では新入社員の1割が外国人となっており、その多くが「アニメで日本語を学んだ」と語っているそうです。
相川氏は、ブラジルでの体験を紹介されました。自身のデビュー曲が25年以上にわたりブラジルの盆踊りの定番曲として踊られ続けており、SNSで振り付けが全土に拡散しているとのことです。相川氏は「日本人は自分たちの文化がどれほど世界で愛されているかを知らない」と述べられ、日本人自身が自国の文化に自信を持つ必要性を発信されました。
2033年に向けた展望
新たなクールジャパン戦略は、2033年までに50兆円産業を目指しており、そのうちコンテンツ産業は20兆円を目標としています。
音楽やアニメ・漫画など、多様なコンテンツを生み出す類まれなる能力をもっている日本のクリエイターと、その背景としての日本文化は強力な固有の資産であり、引き続き世界をリードできる分野といえます。そのうえで、パネルセッションでは日本人自身が自国の文化に自信を持つこと、そしてまだまだ活かしきれていない多様性の強みを、社会システムや教育にも取り込んでいくことが、真の意味でのクールジャパン実現に不可欠であるという認識が共有されたました。

交流会

講演後、登壇者と参加者の皆様との交流を深める場として、交流会を実施いたしました。この交流会を通じて、クールジャパン推進に向けた新たな連携やアイデアの創出に向け、異業種の参加者同士が積極的にネットワークを広げました。

〜ご参加いただきました皆様ありがとうございました!〜

開催日:2025年10月3日
※本記事の内容は開催日時点のものです。